はじめての起業 成功の秘訣

第10回

「お金がないから開業できない」という問題を解決する方法

一般財団法人 立志財団  坂本 憲彦

 

※本コラムは、立志財団の森川応樹氏によるインタビュー形式にて掲載しております。



森川:今回は坂本先生の著書「6つの不安がなくなればあなたの起業は絶対成功する」の中から、第3章の「0からでもできる開業資金の集め方」について教えて下さい。

これから起業しようと考えている人が、アイディアややりたいことがあったとしても、そもそも先立つものがないというところで行き詰ってしまうことが、かなりあるのではないでしょうか。そういう人に対してのアドバイスや、成功例などをお話しいただけないでしょうか。


開業するにはどのくらいのお金が必要かを正確に把握する

坂本:ビジネスでお金が必要だという場合、銀行から借りたり、補助金を受けたり、親戚から借りたりなどの方法がありますが、まず一番最初に、その事業にどのくらいのお金が必要かを、正確に把握しましょう。

自分が始めようとしているビジネスが、本当にそのお金がないとできないのかをまず考えるということは、はすごく大事ではないかと思います。


森川:必要以上にお金がかかるように錯覚してしまって、それが不安になってしまうケースも結構あるのではないでしょうか。


坂本:そうですね。すごくたくさんお金かかると思う場合もあるかもしれないのですが、もちろんビジネスによって違いますね。

例えば飲食店ですと、店舗を構えてやりたいという方もいるでしょう。しかし、例えば店舗を構えるにはお金が足りないという場合は、車の移動販売からスタートする方法もあります。また、自宅を使う、もしくは誰かが使ってる所を借りるなど、お金がなくてもできる方法はたぶんあると思います。

大きなお金を借りることを考える場合は、そのお金が本当に要るのかどうか、無くてはできないのかどうかを、まずしっかり考えることが大事だと思います。


森川:例えば飲食店なら店舗を構えなければいけないという先入観や固定概念があると、それだけのものを用意しなければならないから、それだけのお金も用意しないといけない、というお金に対する不安が生じるようですね。


坂本:そこでお金がないからできないというふうにブレーキをかけてしまうのは、すごくもったいないですね。

究極を言えば、お店をやりたいのなら、オーナーさんが別にいて自分は店長だけやるという雇われ店長で始めるのも一つですね。

だから、お金がかからない形でできないかを考えることです。


森川:そもそも必要最小限でどれくらいの資金が必要かを、明確にする必要があるかと思いますが、そのやり方がわからないという人もいらっしゃるのではないでしょうか。具体的にどれくらいの資金が必要かを算出するわかりやすい方法はありますか。


仮の事業計画を作ってみる

坂本:例えば店舗を借りるのなら、実際に不動産に問い合わせしてみてもいいでしょう。それから、最初の事業資金どれだけいるかを解説している本もあります。このようなものを参考にして、自分の事業計画をまず作るといいと思います。どれくらいのお金が必要で、どれくらいの売り上げの見込みがあって経費がどれくらいかかるか、という収支の予測です。

仮でもいいので事業計画を作ってみることがすごく大事です。


森川:資金の算出というのはすごく大変そうなイメージですが、厳密ではなくてもいいし、仮でもいいからと思うと、意外とできそうな感じがしますね。


坂本:だから、仮でもいいので、具体的に事業計画に落としていくことがすごく大事だと思います。

ムダにいくら欲しいというのではなく、事業計画に基づいてどれくらい欲しいのかと具体化していき、どのコストは削ってはいけないかと考えることがすごく大事だと思います。店舗も新しく借りるとお金がかかるので、居抜きの物件を借るなどして、コストをなるべく抑えられるようにできないかと考えていくわけです。


森川:例えば広告費ですと、一昔前ならたくさんチラシを作らなくてはならなかったのですが、今はもうSNSやインターネットが主流ですから、広告費を節減するとか経費を削減するというのが、一例でしょうか。

他に開業資金を抑えるための方法などありますか。


相見積もりをすることで経費の削減になる

坂本:一番オーソドックスなところでは、相見積もりを必ず取るようにするということですね。


森川:相見積もり。


坂本:特に仕入れがそうですね。一つの業者から仕入れようとすると、言い値になってしまう可能性がありますので、相見積もりを取る前提で問い合わせをして、必ず相見積を取って、価格やサービスと内容を比べます。

ここを細かくやっていくかどうかで出ていくお金はすごく変わります。ここを厳選しながらやっていくのはオーソドックスですが大事です。


森川:インターネットで買い物をした後に、別のサイトに同じものが同じサービスでもっと安く売っているのを見つけてしまい、比べておけばよかったと後悔した経験があります。


坂本:価格をしっかり比べるだけではなく、ランニングコストもちゃんと知っておくこともすごく大事です。

一時的なお金だけではなく、小さくてもランニングでかかるお金はとても大きな金額になります。


短いスパンで現状の収支を把握する

森川:ランニングコストについては、だいたいどれくらいのスパンで見ればいいのでしょうか。


坂本:まず月次をちゃんと見ます。毎月の収支の積み上げで年間になるので、毎月一回は締めるというのは最低限ではないでしょうか。

どうしても最初は、個人でやってるとその辺がどんぶり勘定になりがちですが、毎月ちゃんと締めておくのが良いでしょう。

飲食店のように毎日やってる商売だったら、毎日、一日一回ちゃんと締めて、売上を見ながら進めていくのが大事ですね。

短いスパンで締められれば締められるほど、車のスピードメーターみたいなものなので、今どういう現状なのかが把握しやすいのです。


森川:今回は、特に起業される方が不安に思うことの大きなものの一つで、起業や創業の時のお金のことを中心に、いかにお金の不安を乗り越えて起業を進めるかについて教えていただきました。

ありがとうございました。


坂本:ありがとうございました。



Podcastの音声はこちらよりご視聴ください

https://podcasts.apple.com/jp/podcast/1000427279108/id1438479025?i=1000427279108

 

プロフィール

一般財団法人 立志財団
理事長、株式会社ナレッジアクション代表取締役 坂本 憲彦

起業家教育の専門家。
1975年、和歌山県生まれ。
一般財団法人 立志財団 理事長、株式会社ナレッジアクション代表取締役。

下関市立大学を卒業後、西日本シティ銀行に入行。6年間、法人・個人向けの融資や営業を担当する。30歳で独立し、ビジネススクール、速読講座、飲食店、貸会議室などを立ち上げ年商5億円まで成長させる。また、10年以上にわたり、1万人以上の起業家の指導を続けている。

自社開催の起業教育セミナーは500回以上開催し、延べ1万人以上が参加。富士ゼロックスやメットライフ生命、商工会議所、倫理法人会などの法人向けにもセミナーを開催しており、パソナ創業者南部靖之氏との講演実績もある。
「すべての人を真に導く」を真の使命として志ある起業家の育成に全力をかけて邁進している。起業家育成の活動の一環として2017年9月、一般財団法人立志財団を設立。2017年12月には実務教育出版より書籍『6つの不安がなくなればあなたの起業は絶対成功する』を出版し、1.1万部のベストセラーとなる。

Webサイト:一般財団法人 立志財団

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