第17回
起業に必要な知識を最短で手に入れる方法
一般財団法人 立志財団 坂本 憲彦
※本コラムは、立志財団の森川応樹氏によるインタビュー形式にて掲載しております。
森川:本日は、坂本先生の著書「6つの不安がなくなればあなたの起業は絶対成功する」から第6章「起業に必要な知識がみるみる積み重なっていく唯一の方法」について伺います。
起業に必要な知識を身に付ける期間、起業の準備期間といえると思います。
この準備期間をなるべく短くしつつ、勇み足にならずに起業したいと考える方も多いのではないでしょうか。
同じジャンルの本を一気に読むと色々な知識が手に入る
坂本:そうですね。起業に必要な知識を身に付けようと思った時、まず私は、そのジャンルの本を徹底的に集中して読むということを行います。
例えば飲食店を開きたいと思ったら、本屋さんに行きます。ちょっと大きな書店でしたら、飲食店の開業マニュアルのような開業について書かれた本が結構あります。
そういった本を最低5冊から10冊くらい買ってきて、多読をします。一気に読むという感じですね。
全て一気に読むとなると結構大変なのですが、まずは入門書的な本から始めます。漫画で描かれてるものでもいいですし、小学生でもわかるようなものでも構いません。そういうものをまず読んで基礎知識を入れていき、次にちょっと専門的な本も読んでいくのです。
同じジャンルの本を多読すると、関連性がいろいろあったり、人によって視点が違ったり、というものが見えてきます。業界についてのいろんな知識を一気に読む、という感じですね。
飛ばし読みでポイントを押さえる
坂本:読むときに大事なのは、一語一句全部読むというよりも、まずは飛ばし読みでもいいということです。まず目次だけをざくっと読みます。
人によっては速読で読む方もいると思います。速読で読むときのポイントとしては、最初は飛ばし読みでもいいと思います。あとは、目で見て理解していくという飛ばし読みをやっていくと非常に良いと思います。
音読して一語一句読み込むと時間がかかってしまうので、どこがこの業界のポイントなのか、どこがこのビジネスを作っていく上で注意しないといけないのか、ということを総合的に判断していくために、まずは複数の本から一気に知識を入れるというイメージです。
森川:例えば、10冊読むと10冊に共通して書いてあることというのは、これはもうその業界の基礎知識であると解釈してよろしいでしょうか。
坂本:そうですね。同じように共通して出てくるものが多分あると思いますので、そこは当然共通認識として押さえておかなければいけない情報になります。
森川:インプットをさらに効率的にする方法はありますか。
アウトプットをすることで効率良く知識を吸収できる
坂本:インプットをさらにより効率よくしていくために大事になのは、アウトプットです。学んだ知識を発信するということが、すごく大事です。
知識をただ入れただけでは、実はあまり記憶に定着しません。アウトプットして初めて定着し、使える知識になるのです。
ビジネスには単なる暗記の知識はあまり必要ありません。それよりも、いかに現場に即した形で使えるかということが、とても大事です。本で学んだことをアウトプットする方法で一番簡単なのは、人に話すということです。読んだ内容を人にシェアしたり、口で話すというのが一番簡単です。
次に簡単なのは、書くということです。これは自分の日記でもいいのです。どういうことを学んだかということをノートに書いていきます。
今ですと、ブログとかSNSでアウトプットするという方法もあります。アウトプットに加え、発信するという行動につながっています。
アウトプットをすることで、記憶の定着率が一気に変わります。また、アウトプットする前提での吸収と、アウトプットしない前提での吸収では、やはり知識の吸収では差が出ます。
書くという前提で人に伝えて、なおかつわかりやすく伝えるという前提で学んでいくと、どう伝えないといけないかが見えてきます。
森川:例えば、大学などで、大事な授業に出られない友人に「あとで授業の内容教えて」と言われた時に限って、集中力が増す、というようなイメージでしょうか。
坂本:実は教える方が学になります。人に教えるというのは、ものすごくインプットが強化されますね。
なおかつ文章などで他の人にもわかりやすく伝えるのも、自分の定着にもつながるし、それを実践に活かすということにも繋がります。
アウトプットの中で一番大事なのは、やはり実践するということです。
本で学んだことを、それを小さい形でもいいので何か実践してみる。今すぐどうにかして実践できないか、起業する前でも今の仕事で何か活かせないか、そういうことを考えて、常に実践するという癖を付ける。これが大事です。
私達は、知行合一という言葉を大切にしています。知って行わないなら知らないのと同じ、知って行ってこそ本当の知恵となる。つまり知識と行動は一体であるという教えです。
なので、ただインプットするだけでは、起業の勉強という意味ではほぼ意味がないということです。
実践する。最低でもアウトプットする。SNSとかでシェアするとか、ブログに書くとか、人に話すとかでもいいのです。何か実践することで、本当の生きた知恵、これを真知といいますが、真実の知恵になるのです。
仲間と一緒に実践できる環境作り
森川:読んで学んだことを実践しようとするときに、何をどうしていいかわからないという方もいらっしゃると思います。そういう時に、仲間の存在などの環境が大事なのではないかと考えるのですが、どのような環境が望ましいでしょうか。
坂本:やはり、周りに実践している人が多い環境がいいですね。一緒に実践できる環境がいいですね。
自分で仲間を作って、それを一緒にやっていくようなチームや会を作るような環境ですね。
私達が主催している立志実践会という会でも、そのような起業家同士が集まって、お互いのビジネスについてアイディアを出し合ったり、フィードバックし合ったりして進めています。
やはりそういう仲間と一緒にやっていく、学んだことを実践する。
最初は勉強会みたいなものでもいいと思います。読んだ内容をシェアし合うという読書会でもいいので、一緒に学ぶ仲間がいると学習効果も全然違います。
森川:今回は、起業に必要な知識を最短で手に入れられる方法につきまして、たくさん本を読むということと、それを書いたり小さくてもいいので実践をするというようなアウトプットの2つが大事だということを教えていただきました。
坂本先生ありがとうございました。
坂本:はい、ありがとうございました。
Podcastの音声はこちらよりご視聴ください
https://podcasts.apple.com/jp/podcast/1000430682393/id1438479025?i=1000430682393
プロフィール
一般財団法人 立志財団
理事長、株式会社ナレッジアクション代表取締役 坂本 憲彦
起業家教育の専門家。
1975年、和歌山県生まれ。
一般財団法人 立志財団 理事長、株式会社ナレッジアクション代表取締役。
下関市立大学を卒業後、西日本シティ銀行に入行。6年間、法人・個人向けの融資や営業を担当する。30歳で独立し、ビジネススクール、速読講座、飲食店、貸会議室などを立ち上げ年商5億円まで成長させる。また、10年以上にわたり、1万人以上の起業家の指導を続けている。
自社開催の起業教育セミナーは500回以上開催し、延べ1万人以上が参加。富士ゼロックスやメットライフ生命、商工会議所、倫理法人会などの法人向けにもセミナーを開催しており、パソナ創業者南部靖之氏との講演実績もある。
「すべての人を真に導く」を真の使命として志ある起業家の育成に全力をかけて邁進している。起業家育成の活動の一環として2017年9月、一般財団法人立志財団を設立。2017年12月には実務教育出版より書籍『6つの不安がなくなればあなたの起業は絶対成功する』を出版し、1.1万部のベストセラーとなる。
Webサイト:一般財団法人 立志財団
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