第16回
知識がなくても起業できる
一般財団法人 立志財団 坂本 憲彦
※本コラムは、立志財団の森川応樹氏によるインタビュー形式にて掲載しております。
森川:今回は、坂本先生の著書「6つの不安がなくなればあなたの起業は絶対成功する」の中から、第6章「起業に必要な知識がみるみる積み重なっていく唯一の方法」について伺います。
1章から5章まで読み進んでいくと、なんとなくいけるかなと思う反面、自分には知識や技術、経験や力量などが足りないのではないか、という不安で躊躇される方が多いのではないかと思うのですが、坂本先生、いかがでしょうか。
起業には知識よりもまず行動が大事
坂本:そうですね、起業前の相談で多いのが、資格をいっぱい取ろうとする方です。
資格を取ることは決して悪いことではないし、勉強するのは大事なことなのですが、ただ勉強しすぎで問題になることもよくあります。
特に起業前の方は不安なので、その不安を消すために知識を得ようとしますが、実は起業した時に大事なことは、まず行動なんですよね。成果を出している起業家は、軒並み行動が多いのです。
知識に関しては、もちろん必要ではないわけではなく、もちろんあればあるだけいいのですが、知識がないから起業できないとしてしまうと、ずっと勉強勉強になってしまいます。ずっと本をいっぱい読まなくてはいけない、セミナーにいっぱい出ないといけない、資格もいっぱい取らないといけない、となってしまいます。
知識はある程度得たら、あとは今ある知識で勝負できないかを考えた方が良いです。
今ある知識で勝負できなかったら、じゃあ5年後に起業するんですか、10年後にするんですか、じゃあどれだけ勉強すれば起業できるんですか。結局いつまで経っても、起業できません。
一方、高校生で起業してしまう人もいますね。例えばちょっと前女子高生の社長さんが話題になりました。
彼女のビジネスは、女子高生の友達を集めてリサーチの会社を作って、化粧品会社やおもちゃの会社やお菓子の会社などからリサーチを受けとって、女子高生に生の声を聞いたりアンケートをとったり、試供品を試してもらったりして、データを提供するというものです。
そもそも女子高生だから知識も能力も限られてるのですが、自分たちが今持っているリソースを活かして起業すると、そういう形になったということですね。
大事なことは、ある知識だけでどうにかできないかということです。
目的意識をはっきりさせると生きた知識が入ってくる
森川:今ある知識でやってみてからいろんな知識を得た方が、学びが深まるような印象を受けました。座学だけで学ぶよりも、1回やってみてからの学びの方が、とても深くなりそうですね。
坂本:そうですね。実践することで知識も増えてきますし、目的意識がはっきりした方が、生きた知識が入ってきますね。
目的もなく、ただ単に何となく「これ知ってたらいいかな」くらいで勉強をしていると、せっかく学んでも知識が活かされません。
何をしたいという目的が決まった上で勉強する方が、100倍くらい効果は高いのではないでしょうか。
森川:知識が足りないからもっと勉強しなくてはと思い、なかなか起業に至らないというような慎重な方には、今のお話はとても参考になったのではないかと思います。
一方、とにかく今やっちゃえというような、全く真逆のタイプの人もいますね。すごく良いことだと思いますが、危険というか大怪我をしてしまいそうに感じます。
そういう方が注意しなければいけないことは何でしょうか。
問題を明確にして自分で解決策を考えると怪我をしない
坂本:知識得るというのは、そういう意味では怪我をしないために大事です。ここで大事なのは、自分がやろうとしてることに対してどういう問題があるのかをきちんと明確にするということです。
実際に書き出してもいいと思います。自分が行きたいと思っているゴールに対して、何が課題なのか、何が壁になってるのか、それを解決したら目標を達成できるのか。
全部書き出してみて、それに対して全部解決策を自分で考えられるかどうかですね。
解決策も別に自分で解決する必要はありません。人に聞くなどでもいいのです。この問題だったら、この人が解決のスペシャリストだからその人に頼む、でもいい訳です。そういう形で問題をきちんごと明確にして、それに対する回答を持って経血作を全部出せるかどうかが、事業をしてく上では非常に大事にな能力になります。
問題予測とその解決策を出すということをしっかりされると、慎重派の方にもいいですし、勢いで始めてしまう方は、大きな怪我をすることなく進めていけると思います。
森川:やはり書き出すって大事ですね。
坂本:大事ですね。問題や不安を感じているのであれば、何に不安を感じているのかを、箇条書きで書き出してみるのが良いです。
ノートでもパソコンでもいいんです。書き出してみると、自分の不安の正体が見えてくるので、それに対する解決策は何があるかをきちんと考えて準備しておくということが、非常に大事かなと思います。
森川:逆に、なんとなく知識が足りないとか経験が不足してるからと思っていたのが、書き出してみると、意外に今の自分でもけっこう行けると気づく方がいらっしゃるかもしれないですね。
坂本:そうですね。
森川:今回の内容は、知識、技術、経験などが起業するにあたり不足してるのではないかと不安になる方へ、坂本先生からのアドバイスをいただきました。
今回もありがとうございました。
坂本:ありがとうございました。
Podcastの音声はこちらよりご視聴ください
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プロフィール
一般財団法人 立志財団
理事長、株式会社ナレッジアクション代表取締役 坂本 憲彦
起業家教育の専門家。
1975年、和歌山県生まれ。
一般財団法人 立志財団 理事長、株式会社ナレッジアクション代表取締役。
下関市立大学を卒業後、西日本シティ銀行に入行。6年間、法人・個人向けの融資や営業を担当する。30歳で独立し、ビジネススクール、速読講座、飲食店、貸会議室などを立ち上げ年商5億円まで成長させる。また、10年以上にわたり、1万人以上の起業家の指導を続けている。
自社開催の起業教育セミナーは500回以上開催し、延べ1万人以上が参加。富士ゼロックスやメットライフ生命、商工会議所、倫理法人会などの法人向けにもセミナーを開催しており、パソナ創業者南部靖之氏との講演実績もある。
「すべての人を真に導く」を真の使命として志ある起業家の育成に全力をかけて邁進している。起業家育成の活動の一環として2017年9月、一般財団法人立志財団を設立。2017年12月には実務教育出版より書籍『6つの不安がなくなればあなたの起業は絶対成功する』を出版し、1.1万部のベストセラーとなる。
Webサイト:一般財団法人 立志財団
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