第24回
良い経営目標とは?
一般財団法人 立志財団 坂本 憲彦
「良い経営目標とは?」
「数字に実感が湧きづらいけど、どんな感じで目標を立てるんだろう?」
「どれくらいの期間について目標を立てたらいいんだろう?」
経営目標をつくるにおいて、
いろいろ疑問があると思います。
まず、「そもそも「経営目標」って何?」
「何のために必要なの?」
ということろから、
「良い」「経営目標」にするための
2つポイント!!!
このあたりを、起業家育成の専門家の坂本憲彦先生に
話していただきました。
「経営目標のたて方がわからない」
「経営目標をたてたけど、なんだかうまく機能していないみたい」
と悩んでいる場合は、
ぜひ、この動画を見て下さいね。
●はじめに
こんにちは、坂本です。
今日は『良い経営目標』についてお話します。
●経営目標を設定する
経営目標とは、会社が1年間の業績をどのように達成していくのかということを設定する目標です。
自社のあるべき姿をどのように実現していくのかを、半年、1年の形で落としていくのが、目標設定です。経営目標を設定するときに、大事なポイントが二つあります。定量目標と定性目標です。
●定量目標とは
定量目標は、数値化型の目標です。売り上げや利益の数字、あるいは数字によって改善できるようなものです。基本的に目標というものは、数値化していかないとなかなか達成できません。
以前トヨタの方のお話を聞いたことがありますが、トヨタでは問題を改善するときに、常に数値化を意識しているということでした。数値化できない目標はない、ということでした。
●定性目標
定性目標というのは、数値化しにくいものです。例えば自社の理想の姿、顧客にとって自社がどのような存在であるべきか、社員にとってわが社で働く意味、このようなところになります。
定性目標は、経営理念から来るのが一番適切です。
経営理念の中に行動指針があるかと思いますが、その行動指針に沿った行動ができているかどうかを評価していきます。社員教育や、商品に対するこだわり具合、チームワークなどを5段階で評価します。
例えば、コミュニケーションについては、1対1のコミュニケーションの次には、チームの中で複数人とコミュニケーションがとれるかどうか、さらにリーダーになってチームをまとめることができるかどうか、などということを評価します。
●定量目標と定性目標の両方を立てる
よい会社というのは、両方の目標を掲げている会社です。日本では日経新聞や、アメリカではニューズウィークが共同で行った調査ですが、定量目標と定性目標の両方がある会社は、業績がいいと言われてます。
逆に業績のよくない会社というのは、定量目標しかありません。よくあるのが、営業の会社で、営業の数字ばかり、売り上げばかりを評価する会社です。売り上げを立てる人が一番偉い、売り上げを立てられない人たちは虐げられるということになるので、それでは営業の人は面白いですが、管理部門やPR部門の人は、働きがいがありません。そういった人たちもきちんと評価できるように、定量目標と定性目標の両方を設定することが大事です。
今期の経営目標を立てるときには、ぜひ定量目標と定性目標の両方を立てていただきたいと思います。数字の目標だけではなくて、どんな会社になりたいのか、将来の自社のあるべき姿、お客さまにどんな価値を提供していくのか、そういう部分も含めて設定していただきたいと思います。
●5年で2倍の売り上げを目標にする
数値目標は、会社の業績や年数によっても変わってきますが、5年で2倍の売り上げを目指すということが、一般的にいわれてます。業種や業態によっても違いますが、一般的な企業では5年で2倍です。
そうすると1年で20パーセントずつ伸ばしていかないといけません。20パーセントはなかなか大変ですが、今やっていることを改善していけばできる目標です。
●長期目標も立てる
年間計画は、1年ごとに立てるのが一般的ですが、1年だと間延びする場合もあるので、6カ月で中間目標を立てることもあります。ただ、あまり短い期間で設定すると、短期の成果を出すことだけに集中してしまうという弊害があるので、この辺りは会社のスタンスにもよるかと思います。さらに、5年から10年の長期目標も立てておいたほうがいいです。
●おわりに
長期の計画から3年後、1年後、半年後、3カ月後の計画を導いて、それが今日の行動につながってきますので、そういった形でつなげていけばいいかと思います。
プロフィール
一般財団法人 立志財団
理事長、株式会社ナレッジアクション代表取締役 坂本 憲彦
起業家教育の専門家。
1975年、和歌山県生まれ。
一般財団法人 立志財団 理事長、株式会社ナレッジアクション代表取締役。
下関市立大学を卒業後、西日本シティ銀行に入行。6年間、法人・個人向けの融資や営業を担当する。30歳で独立し、ビジネススクール、速読講座、飲食店、貸会議室などを立ち上げ年商5億円まで成長させる。また、10年以上にわたり、1万人以上の起業家の指導を続けている。
自社開催の起業教育セミナーは500回以上開催し、延べ1万人以上が参加。富士ゼロックスやメットライフ生命、商工会議所、倫理法人会などの法人向けにもセミナーを開催しており、パソナ創業者南部靖之氏との講演実績もある。
「すべての人を真に導く」を真の使命として志ある起業家の育成に全力をかけて邁進している。起業家育成の活動の一環として2017年9月、一般財団法人立志財団を設立。2017年12月には実務教育出版より書籍『6つの不安がなくなればあなたの起業は絶対成功する』を出版し、1.1万部のベストセラーとなる。
Webサイト:一般財団法人 立志財団
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