ララ・コンシェルジュ~女性起業家STORY~

第57回

CAとしてまた教官としての経験を経て、「人財の価値」を上げる研修講師へ

サポートプラス社会保険労務士事務所  長橋 知世

 

このコラムは、どん底を経験した女性がなぜ起業に至ったか、そして今何のために、どんな思いで働いているのかを、サポートプラス社会保険労務士事務所の代表を務める長橋知世がインタビューしていきます。

今回のゲストは、接客接遇トレーナーSMART MANNERの府川文子(ふかわあやこ)さんです。


お仕事について教えてください

新入社員研修、ビジネスマナー研修、仕事の進め方・主体性向上の研修、テーブルマナーなど、マナー研修の講師をしています。

今後、プロトコールのマナー研修にチカラをいれていきます。

プロトコールとは、「国際儀礼」と訳されます。もとは国家元首同士の会談などでの公的な儀礼を指す言葉でしたが、最近では国際的なマナーの総称として用いられています。世界中で通用する、所作、考え方ということです。

相手に不快な思いをさせない、相手に迷惑をかけない、相手を思いやる気持ちを体現していくことを基本的な考えとしています。

私は、21年間、航空会社でCAをやっていました。

CAとしてのフライト中の接客や、訓練部の教官として、伝えること、教えることが私には染みついているようです。


CA時代はどのような経験を?

高校生のときの起きた御巣鷹山のJAL機墜落事故でCAの方が残したメッセージに感銘を受け、また当時「スチュワーデス物語」という人気ドラマの再放送に鼓舞されて、CAを目指しました。

CAになり、すべての空が、学びと成長でした。

厳しくも、充実したCAという仕事に、プライドを持って身を置いていました。

ある日、辞令で訓練部に配属となります。自らがCAという立場から新しいCAを育む立場となり、20年近くの空での経験をもとに、新人研修やキャリアアップのための訓練の教官を務めました。

偶然に、このときドラマの撮影が入っていて、監督が「本物」を求めるこだわりの方で、まさに「本物」だった私も、何度か出演させてもらいました(笑)


研修講師を始めるきっかけは?

40歳になるころ、JALの破綻が起き、早期退職を決断し、外資系の保険会社に転職します。ですが・・お客さんを「開拓」していく仕事は私には向いていませんでした。

多くのお客さんと出会いながら、仕事を模索する日々のなか、ある方からビジネスマナー研修の講師をやってみないかと声をかけられます。

モヤモヤとくすぶっていたこのとき、自分の前にある霧が晴れていくような一言でした。

都内のITコンサル会社で、コンサルタントとして派遣する自社の人材への研修です。

CAとして身に着いたマナーだけがすべてではないはずと思い、マナーの勉強を始めますが、学べば学ぶほど、私のやってきたことや、教官として教えてきたことがそのまま教科書に書いてあります。

それなら、これを使ってしまえ!

訓練部に配属が決まった日は、実は、私のなかでは悔しい思い出となって残っていましたが、そこからの経験が、私に新たな人生のモチベーションを授けてくれたのです。

「JALの教官」という言葉が、私のパワーワードとなっていきます。


受講者はどのような方でしょうか?

仕事の9割は企業研修です。

専門学校の講師の仕事や、大手の結婚相談所でも講師をしています。

先日、ご紹介で来られた方は、なんと柔道の世界チャンピオン!言葉遣いの研修のご依頼でした。世界という舞台で活躍し、きっと、その後も見据えていたのでしょう。

「人」を磨くことに、とても探求心をお持ちでした。とにかく、納得するまでは、質問責めにされました。

私自身も、とても勉強させられる仕事でした。


府川さんの研修の特徴は?

わかりやすく、とことんかみ砕いて話すことを心掛けています。

これは、CAという仕事を教えられてきた、そして教えてきた私の経験から来ていること。

生徒は楽しみながら研修を進めていきます。

寝かせません…いや、眠気すら感じる暇のない研修をしています。

楽しい研修というのは、また受けたくなります…それはリピートとなって、新たな私の仕事になります。人は忘れる動物です。だからこそ、このリピートによって、更に研修内容が身に付いていきます。

「人財の価値」を上げていくループが作られていきます。


府川さんが意識していることは?

準備を怠るなということを、自分に言い聞かせています。

研修でいうと、クライアントのことをしっかりと調べます。クライアントがなにを求めているかを把握することは、研修の基本だと考えています。

普段の生活でも、調べることをしっかりしています。自分の知識が増えますよね。

お互いが信用、信頼されている… 私は、そういうひとたちと仕事をしたい。

あのひとであれば、間違いないと言われる人になりたい。

日々、自分の研鑽を忘れないようにしていきたい。



【接客接遇トレーナーSMART MANNER  府川文子さんのプロフィール 】 

日本航空客室乗務員として約21年間乗務。3年間客室乗員訓練部で邦人・外国人の教官を担う。現在は、企業向けにビジネスマナー、コミュニケーションマナー、接客接遇マナー、個人向けに女性のための美しい立ち居振舞い、心を込めた接遇マナー、テーブルマナー、学生向けに航空会社受験指導を行うなど、各方面で活動中。



今回インタビューした 府川文子さんのことをもっと知りたい方は、こちら女性起業家デジタルBookをご覧ください
接客接遇トレーナーSMART MANNER  府川文子さん 


 

プロフィール

【インタビュアー】
サポートプラス社会保険労務士事務所
セカンドキャリアの女性コミュニティ「ララ・コンシェルジュ」
アラフィフ女性に特化した人材紹介「ララ・ワーク」
代表 長橋 知世

静岡県立沼津東高校卒
立教大学社会学部観光学科卒

一般企業、商業高校の教員として勤務したのち、出産を機に退職し家庭に入る。

2児の子育てが終わってから、社会保険労務士資格を取得。

2018年に横浜で社労士事務所の開業に至る。

40代50代女性がもっと社会で活躍すべきと、セカンドキャリアの女性コミュニティを立ち上げ、一年でメンバー100名とする。

主婦はキャリアだと認められる社会を目指し、アラフィフ女性に特化した人材紹介業を立ち上げ、企業とのマッチングを進めている。

Webサイト:サポートプラス社会保険労務士事務所
      セカンドキャリアの女性コミュニティ「ララ・コンシェルジュ」
      主婦の就職支援「ララワーク

セカンドキャリアの女性コミュニティ「ララ・コンシェルジュ」とは、人生経験を積み、さまざまなキャリアを経験した女性の第二の人生を応援していくコミュニティです。

ビジネスセミナーや食事会、交流会など、プライベートを楽しみながらビジネスをひろげていくための機会を提供しています。

自己成長できる場、仲間づくり、協業できる環境であり、女性の新しい生き方を承認し、これから社会に踏み出す女性にエールを送りたいと思っています。

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