ララ・コンシェルジュ~女性起業家STORY~

第30回

楽しみながら自分をいかせる道、相続専門税理士へ…

サポートプラス社会保険労務士事務所  長橋 知世

 

このコラムは、どん底を経験した女性がなぜ起業に至ったか、そして今何のために、どんな思いで働いているのかを、サポートプラス社会保険労務士事務所の代表を務める長橋知世がインタビューしていきます。今回のゲストは、コルディアーレ税理士事務所 代表の木村聡子(きむらあきらこ)さんです。

相続専門税理士 コルディアーレ税理士事務所 代表 木村聡子(あきらこ)さん

お仕事について教えてください

相続専門で税理士として、九段下で、日々、相続税の申告や、相続に関するご相談の対応を行っています。

私は不動産税務に強い税理士。

現在、相続の土地活用に対して総合的に対応していくために、不動産コンサルタントの方とペアを組んで、それらの相続問題を解決することを仕事としています。


なぜ税理士を目指されたのですか?

子供の頃から野球が大好きで、当時野球が一番強い法政大学に入学しました。そして念願のスポーツ新聞の記者に…なりたかったけどなれませんでした。

当時、女性がスポーツ新聞の記者になることはまだ難しい時代でした。

一部上場の企業に入り、チームで働く仕事に少し野球を重ねて楽しく働いていました。

ところが、バブルがはじけ、お荷物扱いされ始め、見返してやろうと頑張っていたら身体を壊してしまいます。

退院して戻ったときの上司の「この忙しいときに休みやがって」の言葉で、会社に振り回されるのはこりごりと吹っ切れて20代半ばで退職します。

巨人の6番が職人と言われ活躍していた時代…手に職を付けたいという思いが湧き上がってきました。

会社にいたころ、簿記の資格をもった高卒の子が、イチバン仕事ができたことが印象に残っており目に留まったのが「税理士」です。

この資格…3年で取ってやると決めます。

会計事務所で仕事をしながら勉強できるのは、日に4時間くらい。

時間の使い方も、ここで身に着けます。

結局、4年かかったのですが、いつのまにか勉強好きになっていました。

毎日の仕事が勉強というこの資格を取得し現在、25年。相続を専門とするようになって5年になります。


相続専門税理士として心がけていることは?

「相続税」は、平成27年の法律の改正で、「都内近郊に自宅があって、少し貯金がある」、そんなどこにでもある家族にもかかる税金になりました。

それなら、そういう方のために「相続専門の税理士」になろうと思い至ります。

ヒントは、1000円カット。

1000円カットの美容師を目指して美容師になる人はいませんが、1000円カットのニーズは、あるわけです。

5年前に、相続専門を掲げた税理士になりました。

財産は自宅と預貯金や株などの金融資産だけ…そんな小さな相続をサポートする税理士です。


2000年に税理士として独立開業したときは、東京と静岡に事務所を構え、何人もの税理士を雇う税理士法人を興しました。

しかし…私は、マネジメントが超下手…

いきなり4人から退職願いが出て、突発性難聴や顔面麻痺になったことも。

そんなときに、311の東北の震災を経験します。

一度しかない人生、苦手なことをやりながら仕事をするよりも、もう一度しっかりと「税理士」の仕事をしてみようと思いました。

そして、税理士法人を抜けて、一人で事務所を始めます。


税理士の仕事はAIにとって代わられる仕事の筆頭ともいわれています。

AIが得意な仕事は「一番税金が安くなる方法」を瞬時に提案すること。

しかし、相続税だけは、税金が一番安くなってもご家族が幸せ…ということにはつながりません。

誰がどの財産をどう相続すれば、幸せなのか、さらにそこに、亡くなった方のお気持ちが入ってきます。

これはAIにはできない仕事です。

寄り添い型の私だからこそ、できるのが相続の仕事です。

私の強みで、お客さんに役立てる仕事の領域を見つけることができました。


人の死を起点とする仕事なので、クライアントはうちひしがれている人が多く、税を納めるというお話をする瞬間はやっぱりつらい。

心掛けているのは、ご家族を亡くされた方に、「一日でもはやく、日常をとりもどしてもらいたい」ということ。

早く相続税の申告を仕上げることは、「日常」への復帰の近道です。

依頼者をほったらかしにしないのが私の一番大事にしていることです。


木村さんが大切にしている思いとは?

宇宙から見れば、自分はちっぽけな存在でほんの小さなものしか残せないと思って生きています。

私は自分の得意なことを見つけることができました。

ただ、「税理士」を私の最後の仕事とは決めたくはありません。

自分の限界を作りたくはないから。

私だけでなく、誰もがそんな考えを持ってほしいと思っています。

「思い込みを捨てると、思い付きが降ってくる。」

今の私のすべての縁は、この言葉を起点に始まりました。

楽しみながら、最後まで、自分をいかせる道。

この道を探求し続けていくことが、これから私がすべきこと…。

その結果が、生涯「相続専門税理士」であっても、またそれは素晴らしいことだと思います。



【相続専門税理士 木村聡子(あきらこ)さんのプロフィール】


コルディアーレ税理士事務所 代表

平成27年の相続税改正により、相続税は富裕層だけでなく庶民にも影響のある税金になりました。また、令和5年度税制改正の影響により、贈与を利用した相続税の相続対策については、このままで良いのかどうか見直しが必要です。
こういった背景から、財産評価も含めて複雑化する相続税について、小さな相続から大きな相続まで、懇切丁寧にサポートをさせていただいております。少しでも懸念事項がございましたら、税理士のキャリア25年超の私に、まずはご相談ください。 「大丈夫、私たちがついています」




今回インタビューした木村聡子(あきらこ)さんのことをもっと知りたい方は、こちら女性起業家デジタルBookをご覧ください

相続専門税理士 コルディアーレ税理士事務所 代表 木村聡子(あきらこ)さん






 

プロフィール

【インタビュアー】
サポートプラス社会保険労務士事務所
セカンドキャリアの女性コミュニティ「ララ・コンシェルジュ」
アラフィフ女性に特化した人材紹介「ララ・ワーク」
代表 長橋 知世

静岡県立沼津東高校卒
立教大学社会学部観光学科卒

一般企業、商業高校の教員として勤務したのち、出産を機に退職し家庭に入る。

2児の子育てが終わってから、社会保険労務士資格を取得。

2018年に横浜で社労士事務所の開業に至る。

40代50代女性がもっと社会で活躍すべきと、セカンドキャリアの女性コミュニティを立ち上げ、一年でメンバー100名とする。

主婦はキャリアだと認められる社会を目指し、アラフィフ女性に特化した人材紹介業を立ち上げ、企業とのマッチングを進めている。

Webサイト:サポートプラス社会保険労務士事務所
      セカンドキャリアの女性コミュニティ「ララ・コンシェルジュ

セカンドキャリアの女性コミュニティ「ララ・コンシェルジュ」とは、人生経験を積み、さまざまなキャリアを経験した女性の第二の人生を応援していくコミュニティです。

ビジネスセミナーや食事会、交流会など、プライベートを楽しみながらビジネスをひろげていくための機会を提供しています。

自己成長できる場、仲間づくり、協業できる環境であり、女性の新しい生き方を承認し、これから社会に踏み出す女性にエールを送りたいと思っています。

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