第14回
本当にやりたいことで十分な収入を手にいれるには?
一般財団法人 立志財団 坂本 憲彦
※本コラムは、立志財団の森川応樹氏によるインタビュー形式にて掲載しております。
森川:今回も坂本先生の著書「6つの不安がなくなればあなたの起業は絶対成功する」の第5章「本当にやりたいことで十分な収入を手に入れる」の中から、伺います。
やりたいことで十分な収入を手に入れると聞いた時に、売上をどうやって上げたらいいのかと多くの方が不安になると思います。その売上の上げ方、そもそも売上とはどんなものなのかなどを知ることが、十分な収入を手に入れることにもつながるかと思います。その辺りを詳しくお聞かせください。
坂本:はい、よろしくお願いします。
売上の構成要素は集客数×商品単価×販売成約率
森川:売上について、坂本先生がどういったことをよく教えられていますか。
坂本:売上は3つの構成要素で作られています。
1つ目は集客の数。お客様の数ですね。
2つ目は商品単価。その商品自体がいくらするのかということです。
3つ目は販売成約率。販売してどれくらい申し込みや成約になるのかということです。
この3つが、売上には非常に大きく影響を与えています。
この3つをそれぞれどのように向上させていくかということが、売上を上げていくための戦略になります。
森川:構成要素が3つということですが、考え方としては、集客数+商品単価+販売成約率でしょうか。
坂本:掛けるです。
森川:ということは、一つ一つの伸び率が高くなくても、掛け合わせることによって相対的に全部が大きくなるというような作り方もできるのではないでしょうか。
坂本:そうですね。どれかがゼロになるとゼロになってしまいますが、掛け算なのでそれぞれが少しずつでも伸びると、売上はより向上していきます。
森川:その3つの要素について、それぞれの要素を上げるポイントがあると思われますが、ご説明いただいてもよろしいでしょうか。
売上はコアコンセプトに大きく影響される
坂本:集客数は、コアコンセプト「誰に」「何を」「USP」の「誰に」にとても影響されます。
その数が多ければ集客数も多いので、その「誰に」をどこにするか、市場の大きい所か、小さい所かによって、数が決まってしまいます。しかし、一概にそれだけで売上が決まるわけではありません。
商品単価は、コアコンセプトの「何を」に強く影響されます。どんな価値提供するのかというところです。
安い日用品などの安い商品であれば当然売上は下がりますけれども、例えば住宅のように何千万もするものですと商品単価は上がるので、集客数が少なくても売上は見込めます。
販売成約率は、コアコンセプトの「USP」に強く影響されます。
「USP」というのは選ばれる理由ですね。独自性というふうにも言われます。なぜその商品を選ぶのか、他の競合もあるのになぜうちの商品を買ってくれるのか、というところに影響しますので、販売成約率に大きな影響があります。
集客数が多くて、商品単価も高くて、販売成約率も高いと、全体の売上も上がります。
これはビジネスモデルによって異なりますが、基本的にはこの3つのそれぞれを上げる政策を考えていくことで、ビジネスの売上を上げるという戦略が自然に整備されて結果になっていきます。
森川:ありがとうございます。
では、コアコンセプトの「誰に」「何を」「USP」が1つ1つがしっかりしているとした場合、起業したての、本当に起業して間もない方に対して、とりわけこれが大事だという要素はありますか。
自分の苦手な部分よりも得意な部分を伸ばす
坂本:この3つはそれぞれが影響してるので、特にこれ1つとは言いにくいのですが、大事なのは自分の得意なところを伸ばすことではないでしょうか。
例えば、「誰に」という集客数を伸ばすのが得意な方はそこに特化していった方が良いと思います。
集客数・商品単価・販売成約率のうち、得意なところというのが、それぞれの人にあるはずなんです。
あとは商品単価を上げるのが得意な場合は、商品単価を上げることを考えていけばいいですし、販売成約率を上げる方が自分は得意だという方は、そこをとにかく高くしていくことを考えていきますし、人によってどこが得意かというのは結構違うのです。なので、その得意なところを伸ばしていくことが大事かなと思います。
既にビジネスをしている方でしたら、商品単価を上げるのが収益を上げる上では一番簡単なところではないでしょうか。簡単で即効性がありますね。
森川:坂本先生はよく、「弱いままで成功できる」とおっしゃられていますが、苦手な部分で無理に挑むよりも、やはり自分の強いところや得意なところ、好きなところ、そういったところで戦っていくことが、大きな収益も手に入れられる、という考え方でしょうか。
坂本:そうですね、やはり集客が得意な方はそこを伸ばすべきですし、そこが苦手だという場合は商品単価を上げて、商品価値を高めるということですね。
そしてセールスが得意な場合は、販売成約率を上げていくというところに力を入れていくべきでしょう。
自分に足りない部分は人に頼っても良い
坂本:それから、自分が苦手なところは、人に依頼していくのも一つだと思います。
森川:得意な方にお願いするということでしょうか。
坂本:そうですね。集客数を増やすのが得意な広告代理店の方や広告プロモーション業の方などに依頼するのも一つですね。
販売成約率を上げたいのなら、セールスのプロの人にセールスをお願いできるような仕組みにします。
そして商品単価を上げたければ、どこかと提携してより単価の高い物を提供するということです。
森川:売上というとちょっと抽象度が高くてとらえどころがないように感じるところも多いのですが、こうして構成要素を細かく見ていくと、自分はここが得意だとか、ここをしっかり上げるようにすると収益を得られるんだなと、具体的にわかりますね。
坂本:こうやって分析していくと自分の得意分野が見えてきますので、そこに力を入れて、足りないところは人に助けを求めながら一緒にやっていくっていうのが、一番理想的ではないでしょうか。
森川:今回は、やりたいことで十分な収入を手に入れるという内容の中で、とりわけ多くの人が心配に思う、売上について詳しく教えていただきました。ありがとうございました。
坂本:ありがとうございました。
Podcastの音声はこちらよりご視聴ください
https://podcasts.apple.com/jp/podcast/1000429268978/id1438479025?i=1000429268978
プロフィール
一般財団法人 立志財団
理事長、株式会社ナレッジアクション代表取締役 坂本 憲彦
起業家教育の専門家。
1975年、和歌山県生まれ。
一般財団法人 立志財団 理事長、株式会社ナレッジアクション代表取締役。
下関市立大学を卒業後、西日本シティ銀行に入行。6年間、法人・個人向けの融資や営業を担当する。30歳で独立し、ビジネススクール、速読講座、飲食店、貸会議室などを立ち上げ年商5億円まで成長させる。また、10年以上にわたり、1万人以上の起業家の指導を続けている。
自社開催の起業教育セミナーは500回以上開催し、延べ1万人以上が参加。富士ゼロックスやメットライフ生命、商工会議所、倫理法人会などの法人向けにもセミナーを開催しており、パソナ創業者南部靖之氏との講演実績もある。
「すべての人を真に導く」を真の使命として志ある起業家の育成に全力をかけて邁進している。起業家育成の活動の一環として2017年9月、一般財団法人立志財団を設立。2017年12月には実務教育出版より書籍『6つの不安がなくなればあなたの起業は絶対成功する』を出版し、1.1万部のベストセラーとなる。
Webサイト:一般財団法人 立志財団
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