駒井研司が聞く プロの自己管理術

第24回

信念が人脈・天職を呼ぶ  秘書参謀 星久人さん(最終回)

株式会社ネオレックス  駒井 研司

 

 20年以上にわたり、トップの対外的な活動全般を補佐してきた星久人さん。自らも、広く深い人脈を持つ。

 --人脈作りとは

 「情報を集めるにも、何か新しい行動を起こすにも、トップの人間関係や企業間の関係を維持・強化するためにも、人脈はとても重要です。この広い世の中では、出会った相手がふと雑踏の中に消えたら、もう二度と会えないかもしれない。だから、一期一会の気持ちを大切にしています。また『小才は、縁に出会って縁に気付かず。中才は、縁に気付いて縁をいかさず。大才は、袖触り合うた縁をもいかす』という言葉を座右の銘としています」

 --コツはあるでしょうか

 「パーティーなどに行ったら、1人でも良いから必ず誰かと仲良くなる。何となく参加して手ぶらで帰ってはいけません。会場を見渡して、自分なりの感覚で『この人だ』と思う人を探し、声を掛けてみる。知り合えた人とは時々連絡を取り合う。相手が興味を持ちそうな記事など見かければ、郵送していました。グーグルもメールもない時代には特に感激されましたね。それから異性や若い人との縁も大切にしています。女性には女性のネットワークがあり時に思わぬつながりが広がる。世代の違う人もそう。『なんだ、若いやつの会か』などと言って出てこない人がいますが、それではいけないと思います」

 --積極的になれ、相手を大切にしろ、ということですね

 「そう。もう一つ大切なのが“自分が何か”という軸を持つことです。自分の専門、得意分野を早く見つけると良い。大きな会社に勤めていれば、配属はいろいろです。最初の配属は本当に嫌でしょうがなかった。でも、自分の希望をはっきりとさせつつ、その時々の仕事に全力で取り組んだ結果、トップの補佐役・秘書役という仕事に出合えました。最初は戸惑いましたがやがてこれが自分の天職と感じるようになりました」

 「自分の得意分野や長所をよく分析する。自分のやりたい仕事を考え、上司や人事部にそれをはっきり伝える。同時に、与えられた今の仕事に全力を尽くし、しっかりと成果を出す。このように自己の信念を持っていれば、必ずや自分の天職に出合うことができると思います」


【プロフィル】星久人 ほし・ひさと 東大法卒。元ソニー特別理事・秘書役。盛田昭夫氏の補佐役となり、以後ソニーの歴代トップを支えた。ベネッセホールディングス特別顧問。67歳。東京都出身。

2014年3月31日「フジサンケイビジネスアイ」掲載
 

プロフィール

株式会社ネオレックス
CEO 駒井研司

こまい・けんじ 自己管理のためのiPhoneアプリ「MyStats」(マイスタッツ)発案者。


Webサイト:株式会社ネオレックス

駒井研司が聞く プロの自己管理術

同じカテゴリのコラム

おすすめコンテンツ

商品・サービスのビジネスデータベース

bizDB

あなたのビジネスを「円滑にする・強化する・飛躍させる」商品・サービスが見つかるコンテンツ

新聞社が教える

プレスリリースの書き方

記者はどのような視点でプレスリリースに目を通し、新聞に掲載するまでに至るのでしょうか? 新聞社の目線で、プレスリリースの書き方をお教えします。

広報機能を強化しませんか?

広報(Public Relations)とは?

広報は、企業と社会の良好な関係を築くための継続的なコミュニケーション活動です。広報の役割や位置づけ、広報部門の設置から強化まで、幅広く解説します。