第13回
ビジネスを多言語化する5つの翻訳手法とは?
WIPジャパン株式会社 上田 輝彦
(1)スタンダード翻訳
「スタンダード翻訳」とは、翻訳会社が提供している最も標準的なソリューションを指します。WIPジャパンによる「日本語→外国語」翻訳の場合、日本語検定1級レベルの各外国語ネイティブ翻訳者が日本語からダイレクトに翻訳し、その後に各言語の運用能力の高い日本人チェッカーが原文と翻訳文をチェックする、というプロセスを標準フローとして実践しており、原文の伝える内容を的確に捉えた「読み手にとって自然な仕上がり」を実現しています。
(2)ドラフト翻訳
「ドラフト翻訳」とは、ネイティブによる一次翻訳のみを行い、チェッカーによるチェックを省く翻訳ソリューションを指します。スタンダード翻訳に比べて訴求力は低下しますが、スピードとコストを重視する場合や社内に当該言語が堪能なスタッフがいる場合におススメです。
(3) クラウド翻訳
「クラウド翻訳」とは、依頼者と翻訳者をクラウド上でマッチングする翻訳サービスを指します。24時間365日依頼が可能なコストメリットの高い翻訳です。全てのプロセスをオンライン上でできる一方で、入稿・検収・修正などのやり取りを全て依頼者が行う必要があるという手間の面でのデメリットはありますが、ニーズが合えば大変便利なサービスです。おススメはこちら。「クラウド翻訳 訳す」で検索。
(4) ポストエディット
「ポストエディット」とは、機械翻訳で処理した訳文をネイティブチェッカーが自然な表現へと編集する翻訳サービスを指します。原文を参照せず作業するため、他の翻訳手法に比べて品質が不安定ですが、コストを重視する場合にお勧めします。なお、Google翻訳等のAI翻訳は短文では進歩していますが、少しでも文章が長くなると品質が酷くなります。トラブルの元になりますのでAI翻訳の訳文をそのままWEBサイト等に掲載するのは避けたほうが良いと思います。
(5) オンサイト翻訳
「オンサイト翻訳」とは、日常的に一定量以上の翻訳が発生する場合に、派遣。紹介等で翻訳者に社内常駐してもらうことを意味します。ただし翻訳者にはそれぞれ得意分野・専門分野がありますので、該当の言語ができるという基準だけで選ぶとお互いにとって満足のいかない状況を招いてしまうでしょう。まずは翻訳会社に相談してみてください。ヒアリングに基づいてニーズに適した翻訳者を派遣・紹介してもらえます。
以上の通り、翻訳には色んな手法・やり方があります。それぞれのメリット・デメリットを理解して、ビジネスの多言語化に役立てることが重要です。
WIPジャパン株式会社
代表取締役会長 上田輝彦(うえだ てるひこ)
福井・兼業農家出身。中・高では卓球選手。数学・世界史・世界地理を愛好。上智大学(法学部)在学中、欧州各国や中国等を跋渉、その後、住友銀行(大阪)、英国ケンブリッジ大学大学院留学(歴史学部)を経てWIP創業。オリンピック関連調査を端緒として、多言語および海外市場を対象にした事業のみに特化し現在に至る。「グローバルビジネスほど面白いものはない」が信条。
◆ 一般社団法人クールジャパン協議会 専務理事
Webサイト:WIPジャパン株式会社
- 第78回 世界の商談ミーティング: ニュージーランド (独断と偏見シリーズ)
- 第77回 世界の商談ミーティング: バングラデシュ (独断と偏見シリーズ)
- 第76回 世界の商談ミーティング: パキスタン (独断と偏見シリーズ)
- 第75回 世界の商談ミーティング: モンゴル (独断と偏見シリーズ)
- 第74回 世界の商談ミーティング: 台湾 (独断と偏見シリーズ)
- 第73回 世界の商談ミーティング: スリランカ (独断と偏見シリーズ)
- 第72回 世界の商談ミーティング: カンボジア (独断と偏見シリーズ)
- 第71回 世界の商談ミーティング: マレーシア (独断と偏見シリーズ)
- 第70回 世界の商談ミーティング: シンガポール (独断と偏見シリーズ)
- 第69回 世界の商談ミーティング: ベトナム (独断と偏見シリーズ)
- 第68回 世界の商談ミーティング: スペイン (独断と偏見シリーズ)
- 第67回 世界の商談ミーティング: ウクライナ (独断と偏見シリーズ)
- 第66回 世界の商談ミーティング: メキシコ (独断と偏見シリーズ)
- 第65回 世界の商談ミーティング: イスラエル (独断と偏見シリーズ)
- 第64回 世界の商談ミーティング: ドバイ (独断と偏見シリーズ)
- 第63回 世界の商談ミーティング: ロシア (独断と偏見シリーズ)
- 第62回 世界の商談ミーティング: 中国 (独断と偏見シリーズ)
- 第61回 世界の商談ミーティング: トルコ (独断と偏見シリーズ)
- 第60回 世界の商談ミーティング: インドネシア (独断と偏見シリーズ)
- 第59回 世界の商談ミーティング: ナイジェリア (独断と偏見シリーズ)
- 第58回 世界の商談ミーティング: エジプト (独断と偏見シリーズ)
- 第57回 世界の商談ミーティング: カナダ (独断と偏見シリーズ)
- 第56回 世界の商談ミーティング: タイ (独断と偏見シリーズ)
- 第55回 世界の商談ミーティング: 湾岸諸国 (独断と偏見シリーズ)
- 第54回 世界の商談ミーティング: 英国 (独断と偏見シリーズ)
- 第53回 世界の商談ミーティング: 北欧 (独断と偏見シリーズ)
- 第52回 世界の商談ミーティング: 韓国 (独断と偏見シリーズ)
- 第51回 世界の商談ミーティング: オランダ (独断と偏見シリーズ)
- 第50回 世界の商談ミーティング: 南アフリカ共和国 (独断と偏見シリーズ)
- 第49回 世界の商談ミーティング: オーストラリア (独断と偏見シリーズ)
- 第48回 世界の商談ミーティング: ブラジル (独断と偏見シリーズ)
- 第47回 世界の商談ミーティング: イタリア (独断と偏見シリーズ)
- 第46回 世界の商談ミーティング: ドイツ (独断と偏見シリーズ)
- 第45回 世界の商談ミーティング: インド
- 第44回 世界の商談ミーティング: フランス
- 第43回 世界のスペイン語: お国なまり事情(スペイン VS 中南米)
- 第42回 世界の英語: お国なまり事情(英国・ウェールズ編)
- 第41回 世界の英語: お国なまり事情(香港編)
- 第40回 世界の英語: お国なまり事情(英国・スコットランド編)
- 第39回 世界の英語: お国なまり事情(シンガポール編)
- 第38回 世界の英語: お国なまり事情(インド編)
- 第37回 世界の英語: お国なまり事情(アイルランド編)
- 第36回 世界の英語: お国なまり事情(ニュージーランド編)
- 第35回 世界の英語: お国なまり事情(オーストラリア編)
- 第34回 世界の英語: お国なまり事情(カナダ編)
- 第33回 世界の英語: お国なまり事情(アメリカ編)
- 第32回 世界の英語:お国なまり事情(英国・イングランド編)
- 第31回 通訳と翻訳、混同してませんか?
- 第30回 英語が苦手だからといって、海外との会議を避けていませんか?
- 第29回 通訳サービス、使ったことありますか?:海外開催のセミナー受講
- 第28回 通訳サービス、使ったことありますか?:利用マナー
- 第27回 通訳サービス、使ったことありますか?:逐次通訳と同時通訳
- 第26回 通訳サービス、使ったことありますか?:通訳者が分かるように話す
- 第25回 通訳サービス、使ったことありますか?:事前打ち合わせが成功のカギ
- 第24回 通訳サービス、使ったことありますか?:事前の情報提供が不可欠
- 第23回 通訳サービス、使ったことありますか?:同時通訳は2名
- 第22回 通訳サービス、使ったことありますか?:通訳者の労働条件
- 第21回 2022年4月 WIPニュースレター Think More Globally
- 第20回 2022年3月 WIPニュースレター Think More Globally
- 第19回 2022年2月 WIPニュースレター Think More Globally
- 第18回 2022年1月 WIPニュースレター Think More Globally
- 第17回 2021年8月 WIPニュースレター Thin More Globally
- 第16回 2020年7月のニュースレター
- 第15回 連休中はクラウド翻訳
- 第14回 ビジネスを多言語化するには何をどうすればいいのか?
- 第13回 ビジネスを多言語化する5つの翻訳手法とは?
- 第12回 売上の1%は多言語化に投資すべし!
- 第11回 AI翻訳はどこまで優秀か?
- 第10回 多言語化への投資、まずは「売上の1%」
- 第9回 世界のインターネット使用言語はどうなっているか
- 第8回 世界の主要言語を挙げることができるか
- 第7回 世界に言語はいくつあるのか ~ 絶滅していく言語
- 第6回 言語ごとにある、豊かな「世界」
- 第5回 多言語化-グローバル化を制するための最強の戦略①
- 第4回 視座を高く、視野を広く、視点を柔らかく(後編)
- 第3回 視座を高く、視野を広く、視点を柔らかく(中編)
- 第2回 視座を高く、視野を広く、視点を柔らかく(前編)
- 第1回 グローバル化の新たな局面