多言語化を制するものがグローバル化を制する

第71回

世界の商談ミーティング: マレーシア (独断と偏見シリーズ)

WIPジャパン株式会社  上田 輝彦

 

世界の商談ミーティング: マレーシア

マレーシアはマレー系、中国系、インド系など多様な民族が共存する国。人口の60%はイスラム教徒、20%が仏教、9%がキリスト教、6%がヒンズー教で、商談相手の文化や宗教を尊重する姿勢が求められます。

金曜日はイスラム教徒にとって礼拝の日。この日に商談を設定することは避けた方が良いでしょう。

服装ですが、男性は襟付きシャツとスラックス。女性はビジネスカジュアルが基本。肌を露出した服装はできるだけ避けるように。ミニスカートや胸部を大きく見せる服装はしないこと。

挨拶の際には、握手が一般的ですが、特にイスラム教徒の女性とは握手を避けるべきです。女性側から手を差し出してくる場合のみ握手を行い、それ以外の場合は軽く会釈するなどの配慮が必要です。

ビジネスとしては、長らく英国の植民地であったこともあり、欧米式のビジネス感覚ではありますが、直接的な批判や否定を避ける傾向があり、提案された内容に対して即座に「No」と言うのではなく、「I will try」といった前向きなことばを言う人が多いでしょう。ただし「はい」は必ずしも同意を意味しないこともあるため、確認を重ねることが重要です。

時間については、シンガポールに比べて若干ルーズです。約束の時間に遅れることもあるため、余裕を持ったスケジュール管理をしましょう。

食事をする場合、イスラム教徒は豚肉やアルコールを摂取しないため、会食時にはメニュー選びに配慮を。また、食事中は右手を使うことが一般的です。



 

WIPジャパン株式会社
代表取締役会長 上田輝彦(うえだ てるひこ)

福井・兼業農家出身。中・高では卓球選手。数学・世界史・世界地理を愛好。上智大学(法学部)在学中、欧州各国や中国等を跋渉、その後、住友銀行(大阪)、英国ケンブリッジ大学大学院留学(歴史学部)を経てWIP創業。オリンピック関連調査を端緒として、多言語および海外市場を対象にした事業のみに特化し現在に至る。「グローバルビジネスほど面白いものはない」が信条。

一般社団法人クールジャパン協議会 専務理事


Webサイト:WIPジャパン株式会社

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