多言語化を制するものがグローバル化を制する

第66回

世界の商談ミーティング: メキシコ (独断と偏見シリーズ)

WIPジャパン株式会社  上田 輝彦

 

世界の商談ミーティング: メキシコ

メキシコのトップビジネスマンは、英米の大学を卒業していることが多く、英語を流暢に話すため、言語の壁は比較的低いです。

注意点として、メキシコ人にとって「アメリカ」とは、北米、中米、南米全体を指します。そのため、米国人を「アメリカン」と呼ぶのは避け、「norteamericano(ノルテアメリカーノ:北米人)」と呼ぶようにしましょう。

メキシコのビジネスでは、意思決定はトップに集中しており、部下の権限が限られていることが多いです。そのため、担当者レベルで話を進めても決定に至らないことがあり、誰が決定権を持っているかを見極めることが重要です。

また、肩書や階級を重視する文化が根強く、相手のポジションに応じた敬意を払うことが求められます。さらに、メキシコ人はストレートな表現を避ける傾向があり、否定的な意思表示も遠回しに行うことが多いです。こうした点は日本と似ており、相手の言葉の裏にある本音や意図を読み取るスキルが必要です。

時間に関しては少しルーズな面があり、ミーティングの開始時間に遅れることがあっても、それを文化の一部として受け入れる心構えが必要です。

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WIPジャパン株式会社
代表取締役会長 上田輝彦(うえだ てるひこ)

福井・兼業農家出身。中・高では卓球選手。数学・世界史・世界地理を愛好。上智大学(法学部)在学中、欧州各国や中国等を跋渉、その後、住友銀行(大阪)、英国ケンブリッジ大学大学院留学(歴史学部)を経てWIP創業。オリンピック関連調査を端緒として、多言語および海外市場を対象にした事業のみに特化し現在に至る。「グローバルビジネスほど面白いものはない」が信条。

一般社団法人クールジャパン協議会 専務理事


Webサイト:WIPジャパン株式会社

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