第76回
世界の商談ミーティング: パキスタン (独断と偏見シリーズ)
WIPジャパン株式会社 上田 輝彦
世界の商談ミーティング: パキスタン
パキスタンはもともと「イギリス領インド帝国」としてインドと一つの国でした。が、1947年に分離。その後、カシミール地方をめぐる国境争いが生じ、両国民の確執となっています。クリケットの国際大会で、パキスタン対インドの試合は戦争さながら。世界のあらゆるスポーツの中でも最も視聴率が高いと言われています。
さて、そんなパキスタン人ですが、まず、宗教的な配慮が非常に重要です。パキスタンはイスラム教が主流の国であり、ビジネスの場でも宗教的な価値観が強く影響します。金曜日はイスラム教徒の安息日であり、この日は商談を避けるべきです。また、ラマダン期間中は断食(日中の飲食が禁止)が行われるため、ミーティングは午前中や夕方以降に設定するのがいいでしょう。
次に、パキスタン人は一般的に間接的なコミュニケーションを好むため、ストレートな表現や批判は避けた方がいいでしょう。相手の意見を尊重しつつ、自分の意見を柔らかく伝えることが大切です。(これ、逆の意見を言う人も多いです、つきあう人によるんですかね)
さらに、ビジネスの進め方はスローで、人間関係が非常に重視されるため、一度の商談で契約を結ぶことは少なく、複数回の会合を通じて信頼関係を深めることが一般的。したがって、共通の知人を介して意思決定権者と進めるのが良い方法です。ただし、一度合意に達しても再度交渉が行われることがあるので、我慢強さが求められます。
最近は、新興企業やスタートアップが急速に成長しています。例えば、B2Bマーケットプレイス「Tajir」は小規模店舗向けに在庫管理をデジタル化し、迅速な商品供給を実現しています。また、パキスタンでは製造業が盛んで、労働力コストが低いため、今後、製造拠点としての可能性が高まっています。
最後に、民族服とも言うべき「シャルワールカミーズ」を着て商談に臨むと、大歓迎されるはず(笑)
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WIPジャパン株式会社
代表取締役会長 上田輝彦(うえだ てるひこ)
福井・兼業農家出身。中・高では卓球選手。数学・世界史・世界地理を愛好。上智大学(法学部)在学中、欧州各国や中国等を跋渉、その後、住友銀行(大阪)、英国ケンブリッジ大学大学院留学(歴史学部)を経てWIP創業。オリンピック関連調査を端緒として、多言語および海外市場を対象にした事業のみに特化し現在に至る。「グローバルビジネスほど面白いものはない」が信条。
◆ 一般社団法人クールジャパン協議会 専務理事
Webサイト:WIPジャパン株式会社
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