知恵の経営

第103回

「経営者に贈る5つの質問」

アタックスグループ 2017年2月8日
 
 大手銀行の支店が開いた取引先対象のセミナーで「変化の時代を乗り切る、出来る経営者の経営力」という講演をした。このテーマを選んだのは35年前、友人とともに起業した経営コンサルティング会社で経営者として学び、体験したことを整理しておきたかったからだ。

 経営者としての(1)心構え(2)戦略発想力(3)人材育成力(4)リーダーシップ-についてまとめた中で、経営者の心構えについて、心の師の一人であるドラッカーの「経営者に贈る5つの質問」について自身の考えを話した。

 ドラッカーは経営で大切なのは正しい行動をするための質問だという。経営者に贈る5つの質問はシンプルだが経営の本質を突いている。(1)ミッションは何か(2)顧客は誰か(3)顧客にとっての価値は何か(4)成果は何か(5)計画は何か-の5つだ。

 1番目のミッションは何かは経営理念を再確認すること。社会に受け入れられる経営理念であると同時に、経営理念で宣言された価値観を全社員が共有し、行動指針として実践されることが重要になる。

 重要な判断を迫られる局面で経営者が理念を意識すれば、ぶれない判断基準を持てる。これによってリスク・不祥事を回避できる。

 2番目の顧客は誰かと、3番目の顧客にとっての価値は何かは、一緒に考えると分かりやすい。どのような顧客にどのように役に立てるかが基本。顧客が抱える顕在的・潜在的要求に解決策を提案することを考える。

 4番目の成果は何かは、自社の提供する製品・サービスに顧客が満足し「ありがとう、これからも継続的に利用させていただく」と言ってもらえることが理想。

 そして、このような愛顧客(ロイヤルカスタマー)がどんどん増え、商品・サービスを購入する際に顧客自身が支払っても良いと考える額である「WTP(willingness to pay=支払い意思額)」でお金を払ってもらえることが成果である。

 ところで世界の先進国は日本に限らず少子化社会となっている。企業レベルで考えると採用がどんどん困難な時代となる。常識で考えれば、高齢者・女性・外国人・ロボット・AI(人工知能)で人口減少を乗り切ることになろう。

 このような時代、経営者は顧客だけでなく、社員の満足を高めることも成果と考える必要がある。求める人材像に沿った人材が採用でき、育成し、定着する社風をもたなければ企業の継続は難しい。経営者は顧客と同時にその担い手としての人材に心を注ぐべきである。

 したがって最後の計画は何かは顧客のみならず社員に着目した計画でなければならない。

 きれいごとと思われるかもしれないが「社員を大切にする会社、働きがいのある会社」にすることを堂々と発言し、社員にもその気になってもらうこと、そのために長期的な視点で収益力のある会社に変えることが経営者のリーダーシップである。

<執筆>
アタックスグループ主席コンサルタント・丸山弘昭
2017年2月8日フジサンケイビジネスアイ掲載

 
 

プロフィール

アタックスグループ

顧客企業1700社、スタッフ170人の会計事務所兼総合コンサルティング会社。「社長の最良の相談相手」をモットーに、東京、名古屋、大阪、静岡でサービスを展開している。

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