知恵の経営

第43回

人を大切にすれば業績向上

アタックスグループ 2015年11月4日
 
 今回は、9月12、13日に電気通信大学(東京都調布市)で開催された「人を大切にする経営学会」の第2回全国大会について紹介する。昨年9月の学会設立総会は、お披露目的な意味合いが強く研究発表会などはなかった。今回初めて学会形式に沿った大会となった。

 統一テーマは「人を大切にする経営は企業業績を高めるか」。人を大切にする経営が行われているから業績が高いのか、逆に業績が高いから人を大切にする経営ができるのか。議論が分かれるテーマだが、基調講演、パネルディスカッション、分科会、研究発表会を聞いた限り、間違いなく前者が正しいのは疑う余地がないようだ。

 12日のケーズホールディングスの加藤修一会長兼最高経営責任者(CEO)の基調講演でも同社が実践する「がんばらない経営」をテーマに、ユーモアを交えながら社員が働きやすい職場をつくることが、いかに業績を高めるかを語ってくれた。

 がんばらない経営の「がんばらない」は、楽をするとか怠けていいということではなく、やるべきことをやり、やるべきでないことはやらない。つまり、やるべきことを決めるという思いが込められている。

 この考えは学会の名称でもある「人を大切にする経営」とも共通している。「人を大切にする」も単純に楽をさせる、甘やかす、取り繕った制度・イベントをつくるといった小手先の対応でなく、働きやすい、安心できる環境で、働くことの幸せ、仕事を通じて成長している実感を持てることだ。社員に無理をさせない堅実経営を進めることこそが人を大切にすること、という思いを込めている。今回の基調講演は、人を大切にする経営は業績を高めることを証明する内容となった。

 続いて行われた統一議題パネルディスカッションや、人を大切にする経営を実践している企業を研究する分科会でも、それぞれ分野の異なるパネリスト、業種・地域の異なる経営者が、人を大切にする経営が業績を高めることをそれぞれの事例を示しつつ語ってくれた。

 2日目も4会場で研究発表やパネルディスカッションなどが行われた。いずれも人を大切にする経営に対するブレない軸で統一された内容だった。

 両日あわせて300人近い学会員が参加し、人を大切にする経営は企業業績を高めることを確認するとともに、その重要性を再確認できた大会であった。

<執筆>

アタックス研究員・坂本洋介
2015年11月4日「フジサンケイビジネスアイ」掲載

 
 

プロフィール

アタックスグループ

顧客企業1700社、スタッフ170人の会計事務所兼総合コンサルティング会社。「社長の最良の相談相手」をモットーに、東京、名古屋、大阪、静岡でサービスを展開している。

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