知恵の経営

第69回

おもてなし以上のものを

アタックスグループ 2016年5月11日
 
 今回は「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」の実行委員会特別賞を受賞した、巣鴨信用金庫の取り組みを紹介したい。

 同大賞は“企業が本当に大切にすべき5人”((1)従業員とその家族(2)外注先・仕入れ先(3)現在顧客・未来顧客(4)地域住民・地域社会(5)株主・関係機関)の人たちに対する使命と責任を果たし、人を大切にする経営に取り組んでいる企業や団体の中から特に優良な事例を表彰し、他の模範とすることを目的としている。2011年に創設され、今年6回目を迎えた。

 毎回新たな賞が創設されるのも、この表彰制度の大きな特徴の一つ。これまでの経済産業大臣賞、厚生労働大臣賞、中小企業庁長官賞、実行委員長賞、審査委員会特別賞に、今回から実行委員会特別賞が加わった。

 同特別賞は、一般企業とは異なる評価基準の学校法人や信用金庫などの団体・機関が優れた活動を実践し、人を幸せにすることに大きく尽力したケースを表彰している。

 今回は57件の応募から14の企業・団体が表彰された。このうち実行委員会特別賞を受賞したのが巣鴨信金をはじめ、瀬戸内海巡回診療船済生丸事業、学校法人池谷学園冨士見幼稚園、一般社団法人モリスの4団体だった。
 
 巣鴨信金は「おばあちゃんの原宿」といわれる東京都豊島区の巣鴨地蔵通り商店街に立地し、地域密着で高いホスピタリティーを実現していることで知られる。

 今では聞きなれた「金融サービス業」という言葉も、1997年に全国の金融機関で最初に掲げた。その後、多くの金融機関が金融サービス業という言葉を掲げたが、同信金の考えとは全く異なるものだった。

 そこで、同信金は2004年に、金融サービス業よりもさらに高みを目指すため、「ホスピタリティー」と「金融ホスピタリティー」を掲げた。

 ただ、その「ホスピタリティー」は決して、「おもてなし」というだけではない。それは「おもてなし」というと勤務時間の中で、お客さまだけへのものになってしまうからだ。

 同信金が目指している「ホスピタリティー」は、人に対する優しさや思いやりを心根に持つことだと言う。地域住民や地域社会とともに、地域の発展に貢献していくことこそ、信用金庫が果たすべき本来の使命のはずだ。

 このホスピタリティーの考えが広まることによって、本当の意味で、金融機関が金融サービス業となると感じている。
 
<執筆>
アタックス研究員・坂本洋介
2016年5月11日 「フジサンケイビジネスアイ」掲載
 
 

プロフィール

アタックスグループ

顧客企業1700社、スタッフ170人の会計事務所兼総合コンサルティング会社。「社長の最良の相談相手」をモットーに、東京、名古屋、大阪、静岡でサービスを展開している。

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