知恵の経営

第80回

顧客創造にSNS積極活用を

アタックスグループ 2016年8月10日
 
 SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で顧客企業のマーケティング活動を支援する、アライドアーキテクツの中村壮秀社長と対談形式のセミナーを開いた。

 中村社長は住友商事を経て、ゴルフダイジェスト・オンラインの創業メンバーとなるが、2005年に退職し、東京・恵比寿のマンションの一室でアライドアーキテクツを創業した。ホームページで「いつか個人の発信が情報流通の中心になるのではないか。今、企業のマーケティングは劇的な構造変化の時代を迎えている。21世紀は生活者が中心の時代となる」と当時の思いを述べている。創業8年目の13年に東証マザーズに上場、SNSマーケティング事業のリーディングカンパニーとなった。ミッションは「ソーシャルテクノロジーで世界中の人と企業をつなぐ」。この概念を、05年の創業時に着想した中村社長の先見力に脱帽した。しかし上場後、経営環境変化によって、事業は大苦戦に陥った。冷静に分析して反転ロジックを考え、現在は新たな方針・戦略でV字回復中だという。

 同社は「モニプラ」というSNS利用者とのコミュニケーションに活用できるシステムを提供。顧客企業は同システムを使ってさまざまなマーケティング活動を行い、製品の開発や販売に役立てる。対談では大手食品メーカーのSNSマーケティング事例が紹介された。その会社では看板商品のブランド力低下という課題があった。理由は商品のターゲット層である若者たちが、生まれる前から販売されている看板商品に「自分たちのための商品ではない」という認識を持ったからだ。そこでSNSを使った広告で若者層を引き込み、成功を収めた。
 中村社長との対談を通じて、テレビに代表されるマスマーケティングから、SNSによるソーシャルメディアマーケティングへと時代が変化していると実感した。SNSはマーケティング以外にも、採用や退職防止の活動を始め、多くの経営課題解決に有効だろう。

 ドラッカーは企業の目的は「顧客の創造である」とし、そのためにマーケティングとイノベーションという2つの基本的な活動が必要だと語った。ネットの出現で経営環境は大きく変化した。SNSもこの流れから生まれた新技術で、経営者はこの流れを知っておくべきだろう。

 しかし、SNSのような新しいテクノロジーを中高年の経営者が理解するのはなかなか難しい。経営者に求められるのは、絶えず世の中の変化に着目し、好奇心を持ち、アンテナを高くして時代の流れ、風を読むことだ。その後は思い切って若手社員に任せて、経営改革・経営革新に着手してほしい。
<執筆>
アタックスグループ主席コンサルタント・丸山弘昭
2016年8月10日フジサンケイビジネスアイ掲載


 
 

プロフィール

アタックスグループ

顧客企業1700社、スタッフ170人の会計事務所兼総合コンサルティング会社。「社長の最良の相談相手」をモットーに、東京、名古屋、大阪、静岡でサービスを展開している。

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