中小企業の「シン人材確保戦略」を考える

第10回

9割の中小企業が知らない「すごいハローワーク採用」のやり方(後編)

一般社団法人パーソナル雇用普及協会  萩原 京二

 

前回は、企業が人材の募集をしようとする場合、求人広告や折り込みチラシ、職業紹介会社などに依頼するその前、ハローワークに求人を出しましょうというお話をしました。今回はその続きです。

最近のハローワーク求人は驚くべき進化と遂げていますが、中でも注目に値するのがハローワークインターネットサービス(HWIS)です。これは文字通り、インターネットを通じてハローワークのサービスが受けられるというものですが、かなり優れた機能を有しているのです。しかも、すべてのサービスが無料で利用できるというのも見逃せません。

具体的には、以下のような機能を利用することができます。なお、サービスを利用するためには、求人者(事業主)と求職者(労働者)の双方がHWIS上に「マイページ」を開設していることが前提となりますのでご注意下さい。


求人申込み

求人者マイページを通じて、新規の求人申込み、求人内容の変更、求人の取消ができます。また、事業所の外観・職場風景や取扱商品、事業案内パンフレット等の画像情報を登録・公開することもできます。


応募の受付

求人者マイページを通じて、ハローワークからの求人紹介を受けることができます(オンラインハローワーク紹介)。また、ハローワークを介さずに求職者が直接応募を行う「オンライン自主応募」を受け付けることもできます。


応募者の管理

ハローワークから紹介された求職者の情報(紹介状)やマイページ経由で直接応募(オンライン自主応募)した求職者の情報の確認ができます。また、「選考中」「採用」「不採用」「辞退」などといった、応募者のステータス管理を行うこともできます。


応募者とのメッセージの送受信や選考結果連絡

求職者(応募者)とメッセージをやりとりできます。この機能を利用することで、面接日時や選考結果などの連絡を確実に行うことができます。


選考結果のハローワークへの連絡

ハローワークから求職者の紹介を受けた場合やオンライン自主応募があった場合、選考結果をハローワークに連絡しなければなりませんが、この選考結果を求人者マイページから登録することができます。


求職情報の検索・直接リクエスト

ハローワークに求職登録された方のうち、求人者に経歴、専門知識、資格や希望条件などの求職情報をPR(公開)することを希望された方を検索することができます。ただし、氏名、住所等の個人が特定される情報は公開していません。検索の結果、貴社の求人条件に合致する方がいた場合は、ハローワークと相談の上、ハローワークから該当する求職者へご連絡することが可能です。また、ハローワークを介さずに、応募してほしい求職者の求職者マイページにメッセージと応募を検討してほしい求人の情報を直接送付できます(直接リクエスト)。直接リクエストは、求人者マイページを開設し、応募受付方法について「オンライン自主応募の受付」を可とする有効中の求人について行うことができます。

いかがでしょう?ハローワークの求人がかなり進化していることがおわかりいただけたのではないでしょうか?特に、企業側から求職者に対して「直接リクエスト」ができるというのは、中小企業にとってはかなり魅力的だと思います。しかも、これらの機能がすべて無料で利用できるのですから、使わない手はありません。


 

プロフィール

一般社団法人パーソナル雇用普及協会
代表理事 萩原 京二

1963年、東京生まれ。早稲田大学法学部卒。株式会社東芝(1986年4月~1995年9月)、ソニー生命保険株式会社(1995年10月~1999年5月)への勤務を経て、1998年社労士として開業。顧問先を1件も持たず、職員を雇わずに、たった1人で年商1億円を稼ぐカリスマ社労士になる。そのノウハウを体系化して「社労士事務所の経営コンサルタント」へと転身。現在では、200事務所を擁する会員制度(コミュニティー)を運営し、会員事務所を介して約4000社の中小企業の経営支援を行っている。2023年7月、一般社団法人パーソナル雇用普及協会を設立し、代表理事に就任。「ニッポンの働き方を変える」を合言葉に、個人のライフスタイルに合わせて自由な働き方ができる「パーソナル雇用制度」の普及活動に取り組んでいる。


Webサイト:一般社団法人パーソナル雇用普及協会

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