Catch the Future<未掴>!

第1回

Future は来るものではない、掴むものだ。取り逃がすな!

StrateCutions (ストラテキューションズ)グループ  落藤 伸夫

 

「未掴!」創刊挨拶

こんにちは、StrateCutions の新コラムにようこそ。本コラムは正式名称 “Catch the Future!”、略して「未掴(みつか)!」と称します。略称の意味はズバリ副題としました。「未来は来るものではない、掴むものだ。取り逃がすな」というメッセージです。この名称は「最近、◯◯◯ 5.0(ものによって4.0)という言い方を良く耳にする。現在が変革期だと伝えるメッセージだと思われるが、その意図がしっかりと伝わっているだろうか?単なる掛け声、キャッチフレーズに終わっていないだろうか」という問題意識をベースとしています。それら用語は、もともとはキャッチフレーズとして作成されたかもしれませんが、未来への架橋かもしれません。その真意を知らないと取返しがつかないことになる可能性があります。

2.0、3.0、4.0・・・

何かのバージョンを小数点付きの数字で表す習慣が浸透してきました。筆者は、その発祥までは知りませんが、コンピューター・プログラムのバージョンを表す数字として用いられるたことが浸透のきっかけとなった気がします。1.0 が1.1、1.2 と小数字が増えていくのは比較的小規模なバージョンアップを意味し、2.0、3.0、4.0 と整数値が増加するのは大規模なバージョンアップを意味している、それが常識となったのです。2005 年にティム・オライリーが発表した「Web2.0 とは何か」では、整数値1 から2 への上昇が「質的変化」を表現しているとされています。

この表現方法をビジネス・社会の変化に適用した例として「マーケティング3.0(これを記した「コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則(2010)」という図書がありました)」が挙げられます。コトラーは「製品に焦点を当てる(1.0)」から「顧客満足に焦点を当てる(2.0)」そして「ソーシャル・メディアにおける評判に焦点を当てる(3.0)」とマーケティングが進化したと主張しました。ツイッターやブログ、Facebook などが台頭している中、「ツールの進化が、マーケティング自体の進化を引き起こすのか」と感慨深く読んだ記憶が蘇ります。

Society 5.0

そのような中、最近 “Society 5.0”という語に出会うことが多くなりました。2016 年1 月に閣議決定された科学技術基本計画に盛り込まれた用語で、人類社会はSociety 1.0(狩猟社会)、2.0(農耕社会)、3.0(工業社会)、4.0(情報社会)と進化して、今や遂にSociety5.0(サイバー空間とフィジカル(現実)空間が融合する「超スマート社会」)に突入すると指摘しています。

Society 5.0 は「未来」か?

筆者は、ここで一つ疑問を持ちました。「Society 5.0は『未来』なのか?」です。「今、端緒があり、これから普及・浸透していくのだから『未来』だろう。」当然の解釈ですね。しかし、それは誰にも均等に訪れる「未来」なのでしょうか?それとも、掴んだ者には訪れるが掴まない者には訪れない「未掴(みつか)」なのではないでしょうか。そう思ったのです。

このような疑念を抱いたのは過去にも類似の事象が生じたと思われるからです。Society3.0 への移行期、機械化を嫌う人々が導入される機械を打ち壊す「ラッダイト運動」がありました。歴史はラッダイト運動参加者にSociety 3.0 は来なかったと証言しています。“Future”は、皆に公平に訪れるものではなさそうです。

Future を掴む必要性

「なるほど。『Future は誰にも訪れる訳ではなく、掴まなければ恩恵に与れない』という指摘は、その通りかもしれない。しかし、過去にも同様のことが起きていたのなら、それで仕方ないだろう。『歴史は繰り返す』のだ。」しかし筆者は、この日本が、誰もが“Future”を掴む国になって欲しいと思います。それが、これから更に進む高齢化社会をサステナブルにし、子供たちに明るい将来を提供することに繋がると思うからです。この想いに突き動かされてシリーズコラム「未掴!」を始めることにしました。会社の舵を取る経営者から意欲的な若手ビジネスパーソンまで、不安定なビジネス環境下でも将来を自分の手で切り拓こうとする方々にお読み頂きたい内容です。発行は月一回を予定しています。

乞うご期待!
 

プロフィール

落藤伸夫(おちふじ のぶお)

中小企業診断士事務所StrateCutions代表
合同会社StrateCutionsHRD代表
事業性評価支援士協会代表
中小企業診断士、MBA

日本政策金融公庫(中小企業金融公庫~中小企業信用保険公庫)に約30年勤務、金融機関として中小企業を支えた。総合研究所では先進的取組から地道な取組まで様ざまな中小企業を研究した。一方で日本経済を中小企業・大企業そして金融機関、行政などによる相互作用の産物であり、それが環境として中小企業・大企業、金融機関、行政などに影響を与えるエコシステムとして捉え、失われた10年・20年・30年の突破口とする研究を続けてきた。

独立後は中小企業を支える専門家としての一面の他、日本企業をモデルにアメリカで開発されたMCS(マネジメント・コントロール・システム論)をもとにしたマネジメント研修を、大企業も含めた企業向けに実施している。またイノベーションを量産する手法として「イノベーション創造式®」及び「イノベーション創造マップ®」をベースとした研修も実施中。

現在は、中小企業によるイノベーション創造と地域金融機関のコラボレーション形成について研究・支援態勢の形成を目指している。

【落藤伸夫 著書】

日常営業や事業性評価でやりがいを感じる!企業支援のバイブル

さまざまな融資制度や金融商品等や金融ルール、コンプライアンス、営業方法など多岐にわたって学びを続けながらノルマを達成するよう求められる地域金融機関渉外担当者が、仕事に意義を感じながら楽しく、自信とプライドを持って仕事ができることを目指した本。渉外担当者の成長を「日常営業」、「元気な企業への対応」、「不調な企業への対応(事業性評価)」、「伴走支援・経営支援」の5段階に分ける「渉外成熟度モデル」を縦軸に、各々の段階を前向きに捉え、成果を出せる考え方やノウハウを説明する。

Webサイト:StrateCutions

Catch the Future<未掴>!

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