「事業性評価」が到来!あなたは資金調達できますか?plus

第226回

中小企業活性化パッケージNEXTが発表されました

StrateCutions (ストラテキューションズ)グループ  落藤 伸夫

 




9月8日、経済産業省、金融庁、財務省の連名で「中小企業活性化パッケージNEXT」が発表されました。

https://www.meti.go.jp/press/2022/09/20220908001/20220908001.html


もともとの中小企業活性化パッケージは本年3月、資金繰り支援に加えて収益力改善・事業再生・再チャレンジを促す総合的な支援策として発表されました。今回のNEXTでは、~経済環境の変化を踏まえた資金繰り支援の拡充と収益力改善・事業再生・再チャレンジの更なる加速~との副題のもと、以下の変更が加えられています。



1.資金繰り支援

<ポストコロナに向けた段階的移行>

(1)伴走支援型特別保証

・ 保証限度額を引き上げ(6,000万円→1億円)

・ 保証料率引き下げ(0.85%→0.2%等)


(2)政府金融機関による貸出

・ 日本政策金融公庫による実質無利子・無担保融資及び商工中金等による危機対応融資は修了(9月末)

・ 日本政策金融公庫等のスーパー低利・無担保融資は継続(来年3月末まで)、貸付限度額も引き上げ

・ 借換保証など、中小企業の返済負担軽減策を検討


<コロナ資金繰り支援等の継続・拡充>

(1)セーフティネット保証4号(別枠、100%保証)

・ 期限延長(9月末→12月末まで)


(2)セーフティネット貸付(物価高騰対策)

・ 金利引下げ(▲0.4%)期限延長(9月末→12月末まで)



2.収益力改善・事業再生・再チャレンジの総合的支援

(1)収益力改善フェーズ

・ 認定支援機関による伴走支援の強化

・ 中小企業活性化協議会による収益力改善支援強化

・ 収益力改善支援実務指針の策定(支援機関向けに、収益力改善支援の実務指針を策定。経営改善計画策定支援事業と連携し、実効性を確保)

(事業再生・再チャレンジフェイズについては省略)


以上の施策は、最近の物価急騰に対応しつつも、3月に発表された「活性化パッケージ」の考え方(金融支援は、「コロナ禍を受けた企業を支援する」から「収益力改善等に取り組む企業を支援する」に軸足を置き、収益力改善・事業再生・再チャレンジに取り組む企業への支援を強化していく)に沿っていると感じます。



支援者の対応方針

以下の方向性で支援できると考えられます。

(1)9月末まで制度を利用できる企業への紹介等

資金調達が必要な企業が日本政策金融公庫による実質無利子・無担保融資、あるいは商工中金等による危機対応融資に係る要件を満たす場合には、活用(特にこれまで活用していない場合)


(2)セーフティネット保証の利用

資金調達が必要な企業が、上の要件は満たさないが、セーフティネット保証に係る用件は満たす場合に活用


(3)伴走支援型特別保証利用への対応

資金調達が必要な企業で、(1)(2)要件を満たさない場合には、普通の貸付あるいは伴走支援型特別保証を活用することになる。一般保証(政府系金融機関の融資を含む)では、借入希望額が借りられない(そもそも承認が得られない)場合には、事業計画書の策定と金融機関からの伴走支援要件を満たすことで、伴走支援型特別保証を利用して資金調達できる場合があると考えられる。


長引くコロナ禍や物価高騰にも抗って事業の持続化を目指す企業の中には、新たな資金調達を必要とする者も少なからず存在することでしょう。このような企業は、伴走支援型保証の活用を促されると、考えられます。つまり事業改善への取組が必要になると考えられます。

「事業改善には以前に取り組んだが上手くいかず、今はどうすれば良いのかわからない。」そのお気持ち、とてもよく分かります。一つの方法として、地域の「よろず支援拠点」あるいは取引金融機関などに相談する方法があります。「できれば、相談して様子が良ければ支援してくれる者と相談したい」と思われるなら、伴走支援の実績あるStrateCutionsでもご相談に乗っています。




本コラムの印刷版を用意しています

本コラムでは、印刷版を用意しています。印刷版はA4用紙一枚にまとまっているのでとても読みやすくなっています。印刷版を利用して、是非、資金調達する方法をしっかりと学んでみてください。


<印刷版のダウンロードはこちらから>




なお、冒頭の写真は 経済産業省HPから頂きました。


 

プロフィール

落藤伸夫(おちふじ のぶお)

中小企業診断士事務所StrateCutions代表
合同会社StrateCutionsHRD代表
事業性評価支援士協会代表
中小企業診断士、MBA

日本政策金融公庫(中小企業金融公庫~中小企業信用保険公庫)に約30年勤務、金融機関として中小企業を支えた後、事業改善手法を身に付け業務・経営側面から支える専門家となる。現在は顧問として継続的に企業・経営者の伴走支援を行っている。顧問企業には財務改善・資金調達も支援する。

平成27年に「事業性評価」が金融庁により提唱されて以来、企業にも「事業を評価してもらいたい。現在の状況のみならず将来の可能性も見越して支援してもらいたい」との意識を持ち、アピールしてもらいたいと考えて『「事業性評価」が到来!あなたは資金調達できますか?』コラムを連載(2017年1月スタート)。当初は読者として企業経営者・支援者を対象していたが、金融機関担当者にも中小企業の事業性評価を支援してもらいたいと考え、2024年1月からは『「事業性評価」が到来!あなたは資金調達できますか?plus』として連載を再スタートさせた。

現在は金融機関職員研修も行うなど、事業改善と金融システム整備の両面からの中小企業支援態勢作りに尽力している。

【落藤伸夫 著書】

日常営業や事業性評価でやりがいを感じる!企業支援のバイブル

さまざまな融資制度や金融商品等や金融ルール、コンプライアンス、営業方法など多岐にわたって学びを続けながらノルマを達成するよう求められる地域金融機関渉外担当者が、仕事に意義を感じながら楽しく、自信とプライドを持って仕事ができることを目指した本。渉外担当者の成長を「日常営業」、「元気な企業への対応」、「不調な企業への対応(事業性評価)」、「伴走支援・経営支援」の5段階に分ける「渉外成熟度モデル」を縦軸に、各々の段階を前向きに捉え、成果を出せる考え方やノウハウを説明する。

Webサイト:StrateCutions

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